風
その日、風はふわふわと吹いていた、あまりにも風が心地良いので、ゆっくりと眼を閉じ、大きく息を吸い込んだ。
それは、秋から冬にかけての風だ。
あの鼻の上に冷たさを、感じる、あの風だ。
そして風は、いつも、形を変えてやって来る。
いつもそうだ、毎回、形を少しづつ変えている、そうまったく同じ風は、二度と吹かないんだ。
その後に、風に耳を傾け風の音を聞いた時、風に色が見えてくる、赤から白へ。
そう秋から冬に向かって走って来る季節の様に、風に色を付けて来る。そしてその風を纏まとった木々達が、赤から白へ変化して行くのも、もう時間の問題だ。
やがてピンク色の風が吹くまで、人々は、この、今の風を感じながら、次の風を待っている。もう少しだから。
武井 こらむ
文字アート4
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— 武井こらむ@芸術である文章 (@takei06coramu) 2020年11月15日
黄金色
鞄一つで旅に出た。
乗り込んだ列車の窓から見えた景色は、どこまでも続く黄金色。ずっと、ずっと続く輝く色。
その黄金色を見ていると、少し切なくなる。何故だろう・・。
考えは、空に浮かんでは消えて無くなる雲のように、後から後から形を変えてやって来る。そして陽が沈む頃、その色は、消えて無くなり、考えは、闇になる。
そう色々考えるのは、やめておこう。
夜になりまた朝が来れば、自分の瞳の奥にだけ、黄金色が見えてくる。その切なさも消えて。
武井 こらむ
数だけある色
人の数だけ愛があり、またその色も人の数だけ無数に存在する。
同じ味も同じ体験も無い、そしてそこにある色も同じものなんて無い。
あなたの見てる赤は、私の赤では無く、あなたの見ている青は、私の見ている青じゃ無い。
そう、そして人の数だけ心もあり、またその色も人の数だけ無数に存在する。
見ている物が同じでも決して、同じ色に見える事は無い。赤にも無数あり、青にも、他の色でも同じだ。
そして、人のカラーもまた同じ色は無い、無数に存在する色なのだ。
他の人と同じ色である必要は無いのだから、あなただけの色を放てば良い。
武井 こらむ
朝日
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— 武井こらむ@芸術である文章 (@takei06coramu) 2020年10月24日
「朝日」投稿しました!#narou #narouN5612GO
新作です。